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車の後部座席のガラスはなぜ熱割れしない?

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国家資格1級ガラスフィルム施工技能士

窓フィルムBridge_栗野 孝太

 

本日もお疲れ様です。9月に入り抜け毛が多くなる時期なのかもしれませんが、抜け毛が止まらない栗野です。もうね、髪の毛を洗うたびにビックリですよ。今の内に対策した方が良いとは聞きますが、アデランス的なもの以外で、何か良い方法があれば是非(是非!×2)教えてください。話は変わり、ふと、お客様から言われたのですが、「なぜ、車の後部座席の窓ガラスはスモークフィルムを貼っていても熱割れしないのですか?」と。今日はその『熱割れ』について少しお話させていただきます。最後までお付き合いください。

 

 

この記事を読むための時間:2分

ガラスの熱割れ現象

以前の記事(猛暑で窓ガラスにヒビが入る?? | 窓フィルムBridge)にも触れていますが、熱割れ現象とは、温度差の変化やギャップでガラスにヒビが入る現象のことを言います。ガラスってとてもナイーブで時には尖り、非常に扱いが難しいもんなんです。色々ある商材の中で、巻いたり、折ったり、組立が出来たりと、今の時代ほとんどそうですが、ガラスは、そのような融通が効かず、移動も慎重さが必要となります。話はそれましたが、僕らフィルム施工業者は、この熱割れ現象(リスク)というのをしっかり頭に入れて、時には施工をお断りする判断をしないといけないケースもあったりします。

 

熱割れが起こりやすいフィルム

では、熱割れを起こしやすいフィルムはどのようなものか?ですが、ずばり、

 

黒色のフィルム(淡色ではなく濃色)

熱を吸収するタイプの遮熱フィルム(日射吸収率が高い)

 

この2つです。

ここで冒頭に戻りますが、車の後部座席の窓ガラスに貼っているスモークフィルムは黒いけれど、熱割れは大丈夫なの?と思いません?私もこのお仕事をしたての頃はそのような疑問を持っていました。実は、上記のような熱割れリスクの高いフィルムでも窓ガラスの種類や環境によっては、スモークフィルムでも心配なく貼ることができたりするのです。

熱割れが起こりやすいガラス

車のフロントガラスは合わせガラス(2枚のガラスの間に合成樹脂を挟み込んで圧着したもの)ですが、両脇の窓ガラスは安全上を考え強化ガラスが入っております。この強化ガラスは、一般のガラスと比べ、強度が3~5倍強く、衝撃や圧力に強く又、耐熱性もあり急速な温度変化にも強いガラスなんです。スモークフィルムが貼られた車のガラスが割れていないのは正に、耐熱性のある(強化)ガラスだからなんです。熱割れに相性が悪いガラスは、

 

  • 網入りガラス
  • 熱線吸収ガラス
  • 熱線反射ガラス
  • Low-Eガラス
  • 複層ガラス

 

その他、劣化したガラスや大きさや厚みのあるガラスも対象になってきたりします。

熱割れが起こりやすい環境

では、上記に当てはまらないのに必ず熱割れが起こらないのかというと、そうではございません。ここが少し複雑化する部分です。全てではないですが下記にて紹介しますね。

 

・窓の方角(南や西は日射が常にあたる為、熱膨張率が上がり熱割れリスクも高まる)

・カーテンやブラインド(ガラスとカーテンの間に熱がこもり熱割れリスクが高まる)

・冷房機器の位置(冷気が直接窓ガラスに当たると熱割れリスクが高まる)

・窓近くにある信号や木(それが影となり温度差が生まれ熱割れリスクが高まる)

・サッシ(樹脂サッシや濃色サッシではないサッシは熱割れリスクが高まる)  etc…

 

色々とシチュエーションがあるので、判断が難しいですよね!そこで、上記のようなフィルムやガラスの種類、厚み、メーカー、上記のような環境面はどうか等の細かな項目から、フィルムを貼っても大丈夫かどうかの『熱割れ試算』を行うようにしています

 

熱割れ試算(計算)

熱割れのリスクを事前に知るためには、「熱割れ試算」を行うことをお薦めしております。これを一個人で試算するとなると非常にハードルが高いので、この熱割れ試算は無料(当店は)ですので、お近くのフィルム施工業者様へまずはご相談されることです。この熱割れ試算は、上記のようなガラスの劣化具合や環境、不確定要素により数値を固定することができないため、あくまでも試算で、保証値ではありませんが、リスクが高いのか、低いのかを判断するための目安として活用することができます。最終的にリスク含め貼るか貼らないかの判断を決めるのは施主様になります

許容熱応力と熱膨張

冬場と夏場では電車のレールの長さが変わる!とよく聞きますね!これはレールが日射等によって温まり熱膨張するのが原因です。窓ガラスも同じように日射が当たり続けるとガラス自体に熱がこもり膨らもうとする応力がかかります。上記のようにガラスとフィルムの関係で許容熱応力を超える可能性が生まれると熱割れ試算結果は『NG』となりますし、発生応力が許容熱応力より下回ると、目安としてですがフィルムを貼っても良いという判断ができます

まとめ

窓ガラスフィルムは機能性としても高く、効果の持続性も高い商材ですので、認知度や業界としての施工件数も年々増え続けています。おそらくこれからも増え続けていくことだと思っております。しかし、間違った認識で安易に貼ってしまうと余計な費用や労力がかかってしまうこともあります。熱割れ試算はそういう意味でもとても効果的ですので、ご興味のある方は是非、お近くのフィルム業者へご相談くださいね。

最後までご一読いただきありがとうございました。

 

窓フィルムBridge 栗野

 

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