窓ガラスの種類
国家資格1級ガラスフィルム施工技能士
窓フィルムBridge_栗野 孝太
こんにちは、栗野です。窓ガラスの種類って色々あるのをご存じでしょうか?意外と家の窓は、どのタイプの窓ガラスかしっかり見ないとわからない方も多いかと思います。今日は窓ガラスの種類や特徴、そして、窓ガラスフィルム施工が可能かどうか含めご説明させていただきますね。是非、ご興味のある方は最後までお付き合いください。
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窓ガラスの種類
窓ガラスの種類ってどれくらいあるのかご存じですか?全部で下記のように12種類の窓ガラスがございます。
・フロートガラス(単板ガラス)
・型板ガラス(凸凹ガラス)
・フロストガラス(すりガラス)
・網入りガラス
・強化ガラス
・熱反射ガラス(ミラーガラス)
・熱線吸収ガラス
・複層ガラス(ペアガラス)
・Low-Eガラス(ecoガラス)
・防犯ガラス(合わせガラス)
・防音ガラス(合わせガラス)
・エッチングガラス(彫刻ガラス)
今日は、世間的にもよく目にする「フロートガラス」「型板ガラス」「フロストガラス」「網入りガラス」「強化ガラス」「Low-Eガラス」について下記にて纏めさせていただきますね。
フロートガラス(単板ガラス)
フロートガラスは、現代の建築や自動車、家電などで最も広く利用されている一般的なガラスです。その特徴は、表面がツルツルして平滑で均一な厚さと高い透明度があります。製造工程においては、溶かしたガラスを金属の上に静置し、流れ落ちることで自然に平らな表面が形成されます。この過程により、表面は非常に滑らかで、厚みも均一になるため、多くの用途に適しています。さらに、フロートガラスは加工性も高く、切断や研磨、穴あけも比較的容易に行えます。また、価格も比較的経済的でありながら、高い品質を保っている点も重要です。透過性が高いため、自然光を最大限に取り込み、室内の明るさを向上させることも評価されています。こうした特徴により、住宅の窓ガラス、店舗のショーケース、自動車のウィンドシールドなど、多くの場面で利用されているのです。
窓ガラスフィルムは原則、問題なく水貼り施工できます。
型板ガラス(凸凹ガラス)
型板ガラスは、工業用や建築用に広く用いられる耐久性と美観性を兼ね備えた特殊なガラスです。表面に模様や柄が施されているため、視覚的なアクセントとしても優れており、プライバシー保護やデザイン性の高い空間を演出します。通常の平板ガラスに比べて表面に凹凸や模様を持つため、独特の質感や表情を作り出し、室内外のインテリアとしても人気があります。特に、日常生活だけでなく、商業施設や公共施設の採光や仕切り材としても重宝されています。耐候性や防汚性にも優れたタイプが多く、長期間美しい状態を保つことができるのも特徴です。また、加工やカットも容易であるため、用途に合わせて柔軟に対応できる点も魅力です。
窓ガラスフィルムは、水貼り施工ではなく、ドライ貼りであれば施工が可能です。ただ、デメリットとして、ドライ貼り用のガラスフィルムの種類は水貼り施工用のフィルムと比べ、かなり限られます。また、劣化した際に剥がすと強烈なノリが残り凸凹面であるが故に、ノリを完全に取りきるのは極めて困難な為、ガラスの交換を余儀なく必要となります。それらのデメリットが問題なければ施工できますが、懸念される場合は、外貼りに切り替えたり、ガラスを反転させたりと色々方法はございますので、ご検討の際は、お近くの窓ガラスフィルム施工業者へご相談ください。
フロストガラス(すりガラス)
すりガラスは、その独特な質感と機能性が評価され、多くの建築やインテリアデザインに利用されています。表面が細かな線や模様で覆われているため、光を拡散しながらも一定の透明性を保ち、プライバシーを確保しつつ空間に明るさをもたらします。耐久性と美観を兼ね備えており、さまざまな用途に適応できる素材です。ただ、その美しさゆえに傷や割れに対して非常に敏感です。傷を防ぐためには、日常の取り扱いを丁寧に行うことが最も効果的です。また、水に濡れると透けてしまうのもデメリットとしてあります。結露等でも透けてしまう為、外部の窓には適していないです。
そのような性質上、窓ガラスフィルムを貼っても透けてしまう為、あまりフィルム施工はお薦めできまません。
網入りガラス
網入りガラスは、ガラス板の中に金属ワイヤーを挟み込み、それらを熱処理や融着させて一体化させた構造のガラスです。このワイヤーはガラスの破損時に飛散を抑える役割を果たし、建築や輸送の安全性を高めます。製造工程では、ガラスと網を貼り合わせた後、加熱して一体化させるため、網はガラスと一体化し、剥離しにくくなります。特に火災時には耐火性能を持ち、また破損した場合でも破片の飛散リスクが低減される点が、他のガラスと異なる大きな特徴です。この構造は、防火壁や防犯窓、車両のウインドシールドなど、安心して使用できる様々な場面で重宝されています。よく勘違いされますが、決して防犯効果はございません。ガラスの厚みは6.8mm又は10mmの2種類ございます。一般的なフロートガラスに比べ強度が倍以上低く、熱割れを起こしやすいので注意が必要です(※熱割れについては別でご紹介させていただきますね)。
窓ガラスフィルムは水貼り施工できますが、熱割れリスクも生じる為、ガラスフィルム検討の際は、お近くの施工業者へ熱割れ試算を行ってもらい、施工可否のご判断ください。
強化ガラス
強化ガラスは、フロートガラスを軟化温度の約650〜700℃まで加熱し、均一に急冷し強度を高めたガラス。表面に圧縮力がかかった状態となりフロートガラスの3〜5倍の強度を持つ割れにくいガラスとなります。また割れた場合でもガラス全体が細かい粒状となり、けがを防ぐことができます。ただ、導入コストが高い点や加工が出来ない点はデメリットとしてございます。よく勘違いをされる方もいますが、防犯効果はございません。ガラスとしては強いですが、一部分だけに衝撃を与えるとガラス全面が爆発したように割れることもございます(爆裂)。
窓ガラスフィルム施工は可能ですが、強化ガラス上でカッターが使えない為、事前にプレカットを行い水貼り施工いたします。
ペアガラス(Low-Eガラス)
Low-Eガラスは複合ガラスの一種で、Low-Eガラスとフロートガラスで構成されたガラスです。また「エコガラス」はAGC、日板、セントラルの製造するLow-E複層ガラスの共通呼称です。low-eガラスは、現代の住宅や建築物において省エネ性能を向上させる重要な素材の一つです。最近の新築マンションや戸建ての90%以上はLow-Eガラスを導入しています。従来のガラスと比べて、熱効率を高め、室内環境の快適さを保つ役割を果たします。 low-eとは「低放射率(low emissivity)」を意味し、特殊なコーティングによって熱の放射を抑制し、外気と室内の熱の行き来を効率的にコントロールします。このコーティングは非常に薄いため、見た目にはほとんど変化がなく、普通のガラスと同じ外観で使用できることも高い評価を得ています。 low-eガラスは、冬季には暖房効率を高め、夏季には冷房負荷を軽減することができ、エネルギーコストの削減に直結します。革新的な素材技術により、室内の温度を安定させることができ、住環境の質を格段に向上させる点が特徴です。
Low-Eガラスとは、片面にLow-E膜という特殊な金属膜をコーティングでしたもので、Low-E膜には赤外線や紫外線をカットする特性があります。Low-E膜の種類によっては、冬の寒さだけでは無く、太陽の日差しを遮り夏にも有効です。
Low-Eガラスには「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」があります。遮熱タイプは室外側のガラスに、断熱タイプは室内側のガラスにLow-E膜をコーティングします。基本的には、温暖地では夏の日差しを遮る遮熱タイプ、寒冷地では冬の日射熱を逃さない断熱タイプが使われます。
窓ガラスフィルム施工は原則可能です。ただ、フィルムによっては熱割れリスクを生じますので、ご検討の際は、お近くのフィルム施工業者へご相談くださいね。
まとめ
窓ガラスの種類によって、ガラスフィルムを貼れるものや貼れないものがございます。また、熱割れリスクにより、本来貼りたいフィルムが貼れないケースも、窓の種類によって変わってきます。是非、ご検討の際は、いつでもご相談くださいね。
窓フィルムBridge 栗野
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